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"砲兵隊"ファルケ

(ほうへいたい・-)
制式名称:試作機のため無し

スーパーハンマー作戦において華々しいデビューを飾った反重力装甲戦闘機「ファルケ」であったが、設計段階より搭載兵装である23mm機関砲の火力不足が指摘されていた。
実際には高い初速や多銃身による投射弾量の多さにより、対空・地上目標には十分な破壊力を発揮していたが、ナッツロッカーをはじめとする重装甲目標にはやはり火力不足であり、大口径の対空火器を有する地上目標からはアウトレンジされるということとなった。そのため、大口径機関砲の搭載が求められるようになった。
30mm以上の大口径機関砲の開発は、J40(S)の火力向上を図るためにかなり以前より始められていたが、2885年になっても制式化されたものは無かった。そのため、既製の大口径機関砲を転用、改造し、本命の機関砲が開発されるまでの間の穴埋めをすることとなった。
この傭兵軍得意の手口も、地上兵器とは勝手の違う航空機用兵装には通用せず、多数の試作品が作られたが、どれもこれも使い物にならなかった。
その中で唯一、実機への搭載実験が行われるまでに改造が進められた35mm機関砲が存在していた。これは、機動力のある野戦対空砲として開発されたもので、機関砲と索敵レーダーおよび火器管制装置と連動させ、完全自動制御で対空射撃を行うという高度なシステムであった。リボルバー式薬室を備え、発射速度は毎分1000発と非常に高く、4発から32発までの4発単位でのバースト射撃を行うことができた。
弾種は、曳光榴弾、焼夷徹甲弾、榴弾、焼夷榴弾で構成される「通常弾」と、重金属弾芯を有する「徹甲弾」、プログラム式時限信管を有する「対空弾」の3種類に分けられ、通常は3つの弾倉それぞれに搭載される。対空弾は、センサの情報から割り出された目標と弾の交差時間が発射時に入力され、その時間に達すると自爆し、内蔵された250発の投射体を目標に向ってぶちまけるというものであった。
しかし、錬度がまちまちな実戦部隊で運用するには、これらのシステムは余りにも複雑で、扱いが難しいため、一部の重要拠点に設置されただけで多くが倉庫にストックされることになった。この余剰兵器を倉庫で発見した開発局の技術者は、システムが丸ごと独立したパッケージとなっていることに着目、ファルケの機体自体に大きな改造を施さずに搭載が可能と判断し、12台の機関砲を搭載可能なように改造した。
砲身は4本のアクチュエーターを内蔵したフレームで支えられており、空中機動時のGによるブレを機械的に補正するようになっていた。軽量化のために外装をすべてはがした機関部に3つの弾倉が取り付けられた。3つの弾倉からの装填はモーターにより行われ、瞬時に弾薬を供給する弾倉を変更することができた。
索敵および照準システムは、機関砲本体下部の光学・赤外線シーカーおよび前方監視システムポッドに振り分け、火器管制装置もポッド内に納め、機体の中枢コンピュータで制御できるようにした。これらの方式は、機関砲のシステムに問題が発生した場合、すぐに23mm機関砲に換装できるようにし、貴重なファルケが戦力外にならないように配慮された結果である。
同時に、重い35mm機関砲を搭載しつつも機動力を失わないようにと、機体後部の加速用エンジンが高出力・長時間燃焼型のYa-400に換装された。
早速6機の試験機が作られたが、作られたと同時にそれらは無意味なものとなってしまった。別の35mm機関砲が制式採用されることになったのである。その機関砲はシュトラール軍が航空機用に開発していたもので、新型戦闘機Ze145に搭載されたものの完全なコピーであった。
作られた試験機は予定通り世界各地のファルケ装備部隊へと送られたが、ラップランドに展開する第58戦闘航空団第24戦闘飛行隊以外は受領と同時に23mm機関砲に換装してしまった。第24飛行隊は、シュトラール軍が物資を輸送に利用しているムルマンスク鉄道への空襲を任務としており、大口径機関砲搭載機が必要だったのである。飛行隊は余った機関砲と弾薬をかき集め、装備機は対空砲改造砲搭載型の唯一の実戦参加機となった。
同機は「砲兵隊」と呼ばれ、対地攻撃のベテランである霧山千明中尉の専用機となった。

(ハセガワファルケを改造して作ったマイオリジナル機体の設定)
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